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動物病院+トリミング
神戸三宮元町にあるACSです。

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2024.06.13

ACS letter 2024.6 外耳炎

こんにちは。

 

6月のACS letterを担当します荒濵です。

荒濵は熱帯魚飼育が趣味で、最近新しくダトニオプラスワンというお魚を二匹購入しました。

ダトニオは、別名「タイガーフィッシュ」と呼ばれる東南アジア原産のお魚で、世界中に愛好家がいる大変人気の種類です。大変運が良くお魚屋さんで見つけ、二匹仲良さそうに泳いでいたため同時に購入したのですが、持ち帰って同じ水槽に入れると2日目から激しい喧嘩をはじめてしまい、別々の水槽に分けて飼育することにしました。

 

どちらともまだまだ子供で、ちょっとしたことで体調を崩すことが多いようですので、「ちゃんとごはんたべるかな?」「しっかり運動しているかな?」など毎日のちょっとした変化に敏感になっております・・・成長のスピードはゆっくりですが、大人になると数十センチにもなるため、ゆっくり大きく育てていきたいです。

 

 

 

さてさて、前置きが長くなりましたが本題はここからです。

 

今回のACS letterでは、「外耳炎」について書かせて頂きます。毎年3月から5月にかけては予防のシーズンで、体調に異常がない子でも病院に来ていただいて、予防接種やフィラリアの検査をしていただいています。その際に、基本的には診察時には全身の状態を確認して、「体表の出来物や赤み」、「眼の充血」、「膝蓋骨の脱臼」など飼い主様が毎日一緒に過ごしているからこそ気づきにくい異常を発見することがよくあります。

 

その中でも特に多いと感じるものの一つが「耳」の異常です。

診察中に耳をのぞいてみると、耳が赤く腫れている、傷がある、耳垢が溜まっている、そもそも耳を触らせてくれないということによく遭遇します。このような場合は、「外耳炎」を疑い「最近耳の周りを掻いていませんか?」、「首を振っていませんか?」などと普段の様子を伺い、必要に応じて検査や処置をしていきます。

 

 

外耳炎とは、様々な原因により耳介および外耳道に炎症が生じた状態のことを言います(図1 参考)。

 図1 耳の構造↑↑

 

外耳炎の初期の段階では耳介の発赤や熱感が生じ、経過が進んでくると耳介及び耳道が腫れることで、接触した際の不快感を伴うようになります。さらに悪化すると、聴覚障害や鼓膜が破損することにより中耳炎を引き起こすこともあります。

 

 

外耳炎の治療を考えていく際には原因を探っていきますが、その原因もアレルギー、アトピーといった体質によるものから、異物や耳ダニなど様々であるため、診察ではその子の全身の状態をじっくりとチェックしていきます。耳の中も手持ちの耳鏡だけでなく、ビデオオトスコープを使って耳の奥の様子を観察して、実際に飼い主様にも一緒に耳の様子を確認して頂いています。

 

 

 

以下に、いくつかの症例を紹介します。

 

写真1と2は同じワンちゃんの耳で、耳の洗浄前と洗浄後の様子を取ったものです。もともと耳が痛そうとのことで来院され、初診時には耳の炎症がかなりひどかったため、内服薬で耳の炎症を抑えて、その後の再診で複数回耳の洗浄を実施しました。今は炎症が落ち着いていますが、耳垢が溜まりやすいため1~2か月に一度のペースで耳のチェックと洗浄を実施して再発の防止に努めています。

 

写真3は、耳の奥に耳毛が大量に生えていた症例です。この時は、外耳の炎症はありませんでしたが、耳掃除を依頼された時に大量の耳毛を見つけたため、画像に収め飼い主様に報告しました。耳毛が多いことで、耳の中が蒸れたり耳垢が溜まりやすくなり、将来的に外耳炎を引き起こす可能性があるため、普段の生活で耳を気にしたりしていないか注意して観察していただくようお話しました。

 

写真4は、若いワンちゃんで予防接種にいらっしゃったのですが、すごく耳を掻くとお話されていたため耳を診てみると、黒い大量の耳垢とその周りの耳ダニが見つかりました。その後、耳の掃除と駆虫薬による治療を実施しています。

 

 

 

 

 

このように一言で「外耳炎」といっても原因は様々で、更に重症度もバラバラであるため1頭1頭に合わせた治療が必要になってきます。外耳炎に限らず、どんな病気でも早い段階で適切な治療をすることができれば、早い回復が見込めます。もし愛犬、愛猫の様子に異変を感じましたら、お気軽に相談くださいね。

 

最後に、私がACS動物外科クリニックに来てから丸2年が経過しました。多くの飼い主様とワンちゃん、ネコちゃん、ウサギさん、ハムスターさん、有馬院長はじめ病院のスタッフや関係者の皆様、家族や友人と多くの方々に支えられて、あっという間で非常に濃密な時間を過ごすことができた2年間でした。この場をお借りして感謝申し上げます。

 

では今回はこのあたりで失礼します。

 

 

 

 

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