2021.09.15
ACS letter 2021.9 ㊲ダニからうつる病気『SFTS』について
こんにちはスタッフの辻本です。
9月に入り季節の変わり目ですね、動物も人も体調を崩しやすい時期かと思いますのでどうぞお気をつけください。
新型コロナは再度、感染の広がりを見せています。
当院ではご来院の際は以下の事にご協力お願いいたします。
• マスク着用のうえご来院ください。 • 診察室への付き添いの方はなるべく1人まででお願いいたします。 • 入院中のご面会の際は事前に電話にてご連絡ください。
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引き続きご協力お願いいたします。
さて今回のトピックはダニからうつる病気『SFTS』についてです。
ダニ類は大型のマダニ(Tick)と小型のダニ(Mite)に分けることができます。
ダニ類が原因となる感染症はたくさんあります。
吸血することによる直接的な症状として貧血やアレルギー性皮膚炎などが
あります。
また、彼らが原虫、細菌、ウィルスなどの媒介者となり様々な感染症を引き
起こす原因ともなります。
その中には『人獣共通感染症』といい動物から人へ映る病気も含まれます。
ダニの予防をする事はワンちゃんネコちゃんの身を守ると共に自分自身の身
を守ることにも繋がります。
人にうつる病気の中でも特に「重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome: SFTS)」について取り上げたいと思います。
この病気はブニヤウィルス科フレボウィルス属のSFTSウィルスが原因で2012年以降、国内でも死亡例が報告されたことから重要視されている病気です。
報告数は年々増加傾向にあります。
マダニは年中生息していますが特にマダニの活動期である3月~11月では発生が多いとされています。
これまでは西日本が中心に報告されていましたが、今年初めて静岡県でも症例が確認されたことから今後、他の地域においても報告される可能性があります。
有効なワクチンや治療法が確立されていないことから、特に気をつけたい病気の1つです。
主な感染経路としてはSFTSウィルスを持つマダニに刺されることで、唾液と共にダニの中にいるウィルスが体内にに取り込まれることで人に感染します。
犬や猫が草の茂ったマダニの生息する場所に入り、マダニを連れてくる場合があるので、ダニ予防をすることはそのリスクを減らします。
犬と一緒に草むらに入る場合にも長袖、 長ズボンを着用し肌の露出を避けることが大切です。
また、この病気は必ずしも自分がダニに吸血されなくても、感染した犬や猫に噛まれたり舐められて感染した報告がされています。
人の主な症状としては、ダニに刺されてから6日~14日程度で発熱、食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛が中心で、白血球の減少、血小板の減少、時に頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパの腫れ、咳などの様々な症状を引き起こします。
犬や猫でも人と同じ様な症状であると考えられています。元気・食欲の低下、発熱、嘔吐、下痢、 白血球減少、血小板減少、肝酵素(AST/GOT)の上昇など。
また猫では黄疸が多いこと、下痢が少ないことが人と異なると考えられています。
これらの症状が見られるようでしたら一度病院にご相談ください。
動物からの感染は濃厚接触者である飼い主様や獣医医療関係者はリスクが高いとされています。
獣医医療現場では体調の悪い動物と接触する際にマクス・手袋・防護服などの予防対策を徹底するよう注意発起がなされています。
マダニは都心部でも年中生息しているため、月一回の予防薬やネコちゃんは野外への解放をさけるなどの予防対策をとり、動物も人も共に健康を守って行けたらと思います。
整形外科クリニック
神戸三宮元町
ACS動物外科クリニック
Animal Care Station