2021.08.20
ACS letter 2021.8 ㊱外科手術の手技を学ぶセミナーを受けて
こんにちは、獣医師の福田です。
暑い日が続きますが、夏バテせずに元気にお過ごしでしょうか?
コロナが再び感染拡大してしまい、心配な状況は続いていますが、先日コロナ対策をしっかり行った外科実習セミナーに参加させてもらう機会を頂き、とても有意義な時間を過ごすことができたので、ここで報告させてもらおうと思います。
今回はブタの臓器を使った外科手術の手技を学ぶセミナーでした。
基本的な縫合方法から手術をするときの注意点やこつなど大学の先生から教えてもらえるというものでした。
豚の肝臓と胃を用いて、胆嚢切除、肝葉切除、胃切開、腸吻合術、胃瘻チューブの固定の仕方、痛みの少ない縫合の仕方など、長年、先生が手術されてきてのこつなどを、こまかく教えていただきました。
トリビア的なお話もあり、コツを教えてもらうことで手術時間の短縮、後遺症の軽減、痛みの軽減を行うことができ、なるべく動物への負担を抑えることができるので、スタッフみんなで共有しながら手術にいかしていきたいと思っています。
今回習った胃切開や腸吻合術は、異物除去の時に用いることが多い手術手技です。
最近はコロナ禍でペットと過ごす時間が増えているということも関係しているのかもしれませんが、異物をたべてしまう子が多いように思います。
食べてすぐであれば吐かすこともできますが、時間がたってしまうと十二指腸で詰まってしまい、食欲が落ちたり、嘔吐が止まらなかったり、徐々に元気がなくなってしまうので、異物摂取は十分気を付けなくてはなりません。
最近あった誤食、チョコレート、お薬、マスク、サロンパス、絨毯、ボタン、クレヨン、割りばし、髪留め、おもちゃの一部、ボールの一部などです。
身近なものばかりです。犬は特に飼い主さんのにおいが付いたものが大好きなので、近くにはおかないようにしてくださいね。
ネコちゃんは吐かすのがなかなか難しいのと、気が付かないうちにこっそり食べてしまっていることが多いので詰まってしまうことが多いように思います。最近ではネズミの形をしたおもちゃのネズミの部分を食べてしまって手術になってしまった子がいました。本能なのだと思いますが、ネズミのおもちゃを食べてしまう事故は多いです。
おもちゃも遊んだ後はペットたちの開けることのできない、届かない所に閉まっておいてくださいね!
整形外科クリニック
神戸三宮元町
ACS動物外科クリニック
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