2020.09.08
ACS letter 2020.8 ㉔獣医師のご紹介とドッグドックについて
はじめまして、6月からACSの一員となりました、獣医師の福田 澄です。
飼い主様と動物たちが元気に楽しく生活できるように全力でサポートしていきたいと考えています。気軽に何でも聞いてくださいね。よろしくお願いいたします。
今回のテーマは、ドッグドックについてです。
みなさんドッグドックって知っていますか?
ドッグ検査とは、病気の早期発見や健康指導を目的として,全身の臓器および器官について,総合的な精密検診を行うことです。
つまりドッグドックとは、ワンちゃんに精密検査を行うことです。
最近はワンちゃんの寿命も延びてきており、平均寿命は12、13才と言われていますが、16才や17才といった子も見かけるようになってきました。
長寿になった分、心臓病や腫瘍、ホルモン疾患を罹患する子も増えているように思います。
ドッグドックをすることで、早期発見、早期治療を始めることができたり、持病を知ることで、日常生活で注意することが分かり、少しでも長く元気にワンちゃんと過ごせるようにお手伝いができると考えています。
ワンちゃんは1歳で成犬になり、その後1年で人に例えると、4歳年を取るといわれています。人の4倍のスピードで年を取ってしまうワンちゃん。
1年に1回のドッグドックは4年に1回の人間ドックと同様に考えてもらうと分かりやすいと思います。
そのためワンちゃんには1年に1回のドッグドックをお勧めしています。
また7歳以上はシニアの区分に入り、色々な病気が出てくる時期でもあるので、年に2回のドッグドックをお勧めしています。
当院でのドッグドックは 朝から半日お預かりして、身体検査やレントゲン検査 エコー検査 血液検査、尿検査や便検査を行うことで心臓や内臓の疾患の早期発見につなげています。
目についても眼圧を測ったり、眼底検査をしたり日常生活ではなかなか気が付かない異常の発見に力を入れています。
以下はドッグ検査で発見されやすい病気についてです。
<<僧帽弁逆流>>
聴診で心雑音を確認してもどのような状況なのかは、エコー検査しなければ分かりません。エコー検査では心臓がどのような状況にあるのか、治療が必要な状態にあるのかを評価します。また心臓が大きくなっていないかどうかはレントゲン検査で評価します。検査をしておくことで、レベルを評価でき、軽度であっても、運動不耐性や咳など症状が出た時に、心臓かな?と気が付きやすく早期治療につながります。
<<胆泥症>>
沈黙の臓器である肝臓もトラブルを起こしていることも少なくありません。
人でいう胆石の前段階です。ほっておくと手術が必要になる事もあります。
低脂肪食に変更したり、状況によっては投薬したりと治療をしていきます。
<<副腎皮質機能亢進症(クッシング)>>
症状が、お水をよく飲む、ご飯をよく食べるなど、元気なんだ!と勘違いしてしまうようなものなので、エコー検査によって可能性を評価することはとても重要です。副腎のサイズが大きくなっているようであれば、血液検査でホルモン検査を受けて確定します。
ほっておくと糖尿病になったり血栓ができやすかったりと色々なお病気を引き起こしてしまうので薬での治療が必要となります。
<<甲状腺ホルモン低下症>>
ホルモン不足で薄毛になったり、運動不耐性になったり、年を取ったなと思うような症状が出ます。年齢だと思っていたのがホルモン不足で薬を使うとすごくよくなる子もいます。年だからとあきらめていたら分からなかった病気でもあります。
<<膀胱結石>>
尿検査をすることで、症状が出るまでに、結晶がでて結石になるのを予防出来たり、レントゲンとエコー検査で結石を見つけ出し、食事療法で治療ができたり、痛みが出るまえに手術に進むことができます。膀胱が傷つく前にきちんとした処置ができる可能性があります。
色々な病気の早期発見につながると、すぐ治療に取り掛かれるので、ワンちゃんのQOL(生活の質)がぐっと上がると思います。
興味のある方は、スタッフまでお声かけて下さいね。