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動物病院+トリミング
神戸三宮元町にあるACSです。

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2020.07.09

ACS letter 2020.7 ㉓スキンケアの重要性

こんにちは、獣医師の有馬広治です。

 

ムシムシの季節が来ましたね!この時期に皮膚が悪くなり痒みで苦しんでいるワンちゃん・ネコちゃんをよく目にします。

スキンケアをすることでこの鬱陶しい季節を乗りきりましょう。

 

 

スキンケアを取り入れるメリットとは?

1.皮膚の構造や働き(皮膚のバリア)を高め、皮膚への負担を取り除き刺激を減らす

皮膚トラブルを持つワンちゃんは、皮膚バリアが弱いことで、皮膚が色々な刺激に敏感に反応します。

スキンケアを行うことで角質層を保護し、角質層のつくりやその働きをより健康的にしていきましょう!

皮膚バリア機能の向上⇒表皮を保護

           角質構造・機能の健全化を促進

皮膚の敏感度を緩和⇒過剰な汗、皮脂、下毛、フケの除去

           過剰な常在菌の増殖抑制

           高PHを抑制

 

 

2.飼い主様のお財布にもやさしい??

スキンケア(シャンプー・保湿剤)は、内服薬、注射、塗り薬などあらゆる治療と併用でき、長く続けても副作用が少ない補助療法です。

その子の皮膚の状態は季節などで変化するため、その状態にあったスキンケア製品を選ぶことで高額な治療薬の量を減らし、再発を予防できることが多いです。

結果、飼い主様の経済的負担も減り、ワンちゃんも快適に過ごせ双方がハッピーですね!

 

 

どんなシャンプーがいいの?

この季節の特に多い、膿皮症アトピー性皮膚炎を見てみましょう。

 

*膿皮症*

症状:丘疹、膿疱、痂疲、かゆみ

原因:常在菌(ブドウ球菌)の増殖

シャンプー:菌を殺すために殺菌作用のある抗菌性シャンプー

      クロルヘキシジン、乳酸エチルなど

 

 

 

 

 

*アトピー性皮膚炎*

症状:痒み、色素沈着、自傷による脱毛、紅斑(赤く腫れている)

原因:皮膚バリア機能異常

シャンプー:角質構造の健全化と炎症を緩和する保湿・保護性シャンプー

      角質構造の健全化→セラミド、リン脂質、脂肪酸など

      炎症緩和→グリチルリチン酸、オートミールなど

 

 

 

スキンケアだけでは、皮膚の状態が改善しない場合もあります。

内服薬や注射などを併用することで、早い回復が期待できるでしょう。

また、内分泌疾患、遺伝性疾患、皮膚がんなどが関係している場合もありますので症状が長い場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

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