2020.10.21
ACS letter 2020.10 ㉖デンタルケアを始めよう♪
こんにちは、獣医師の有馬です。
皆さん、知ってますか? 2歳までに犬の80%が歯周疾患にかかると報告があります!
特に、小型犬では歯周疾患にかかるリスクが高いことが分かっています。
私のワンコも2歳になりますが、歯石が付き歯みがきだけでは取れない所があります。
この秋に麻酔下でのスケーリングを考えています。人間と違って、ワンちゃん、猫ちゃんは、スケーリングをするために麻酔が必要なので、なんとかデンタルケアで歯石がつくことを防ぎたいものですね。
ポイント1.歯垢は24時間以内に、歯石は3日以内に作られる
健康な状態
進行した重度の歯周炎
歯垢が歯に付着するのは24時間以内で、この歯垢を除去しないと唾液の中のミネラルと反応し3日以内に歯石ができ始めます。
さらに、2週間以内に歯周炎を引き起こすことが分かっています。そのまま放置しておくと、いずれ顎の骨が解けて歯周炎と進行します。
ポイント2.歯周疾患があると心臓、肺、肝臓、腎臓など様々な臓器に影響がでる!
歯周疾患は口腔内だけの問題ではなく、様々な臓器の病気と関連していることが分かっています。
また、病気との関連だけでなく、寿命が短くなる可能性も報告されています。
歯石は菌の塊ですので、常に細菌を吸って生活していることになるのです。
お口の健康を維持するためにできること
*お家でできること*
・歯垢、歯石の付着予防
デンタルブラシで歯みがきをしてあげること。
分かっていますが、なかなか難しいものですね。まずは、指先にジェルをつけて数秒間口の周りを触ることから始めましょう。
ご褒美を使いながら歯みがきが楽しみになればいいですね!
歯みがきほどではないですが、デンタルシート、デンタルガムなども有効に使っていくこともお勧めします。
*病院でできること*
・スケーリングによる歯垢、歯石除去
石のように固くなった歯石は、歯みがきだけでは取りきることはできません。
麻酔下にて超音波スケーラーを使って歯石、歯垢を取っていきます。最後に研磨剤を使い歯を磨くポリッシングを行います。
アメリカで行った研究報告によると、1年に1回スケーリングをしている犬は、していない犬と比べると死亡リスクが約20%低下することが明らかになっています。
お口の健康を守り、ワンちゃんと長く暮らすためにホームケアと病院ケアが大切ですね!!