2019.07.05
ACS letter 2019.7 ⑬アトピー性皮膚炎
こんにちは、獣医師の有馬広治です。
柴犬・シーズー・フレンチブルを飼ってらっしゃる皆さん、この3犬種は何の代表選手か分かりますか??
実は、日本で犬アトピー性皮膚炎を発症する好発犬種なのです。
次の症状はありませんか。
1.3歳齢以下でかゆみ、発疹などの症状があった
2.ほぼ室内飼育である
3.皮膚炎の治療はステロイドを使うと改善する
4.かゆみがある
5.前肢の皮疹
6.耳介の皮疹
7.耳輪縁(耳のふち)に皮膚病変はない
8.腰背部に皮膚病変はない
8項目のうち5項目が該当する場合は80%の確率で犬アトピー性皮膚炎と判断します。
もちろん、柴犬、シーズー、フレンチブル以外のワンちゃんにもアトピー性皮膚炎は発症するので,お宅のワンちゃんが該当するか確かめてください。
アトピー性皮膚炎は強いかゆみを特徴とするとてもつらい皮膚炎です。
ここで、知っておいてほしいのは このアトピー性皮膚炎は治らないということです。
多くのワンちゃんは年齢とともに免疫が低下し悪化していく傾向にあります。
だったらどうすればいいの??
2015年、動物アレルギー性疾患国際委員会が犬アトピー性皮膚炎のガイドラインを発表しました。
治療は大きく分類して
1. 悪化要因をみつけ、その回避
2. 皮膚・被毛の衛生状態の改善
3. 薬による症状緩和
どうしてもかゆみが強い場合は、お薬を飲んでいくのですが、ガイドラインの中に「皮膚と被毛の衛生状態の改善」を図るためにスキンケアを推奨しているのがポイントです。
*スキンケアのポイント*
1. 保湿成分を含んだ刺激性の少ないシャンプーを選ぶ
2. 皮膚・被毛の状態に応じたシャンプーを選ぶ
3. 保湿剤の使用
4. 週1回のシャンプー、微温湯の使用
皮膚、被毛にあった適切なシャンプーを選ぶことが大切なので どうぞお気軽にご相談ください。
*プロアクティブ外用療法*
ガイドラインの中に症状が出る前に外用薬を使っていくプロアクティブ療法も推奨されています。
飲み薬の量を減らし、症状を抑えることができるかもしれませんので、ぜひ、行っていきたい治療法です。
これからの梅雨の時期は皮膚の状態が悪くなり皮膚炎を悪化するワンちゃんが増えてきます。
適切な皮膚管理を行うことで このうっとうしい時期を乗り切りましょう!