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動物病院+トリミング
神戸三宮元町にあるACSです。

Blogブログ

2018.11.08

ACS letter 2018.11 ⑤吠え対策

こんにちは、獣医師の有馬です。

 

今回は「吠え対策」についてです。

 

 愛犬リンク(メス・ミニチュアシュナウザー)は6か月になりました。毎朝、5時40分になると「クイーン、クイーン」と鳴き始めます。決まってその時間です。私が起きる時間もその時間になりました。最近の話ですが、4時に目が覚め起きて本を読んでいるとリンクも起きてきました。それ以降、4時に起こされることもあります。このままでは、生活の主導権をリンクに奪われてしまう。犬と人間が共存するために、主導権を譲りたくないと思いつつ、「クイーン、クイーン」と鳴かれてしまうと起きてしまう甘い自分と葛藤中です。
さて、
「うちの犬ちゃんは無駄吠えをして困っています。」と相談を受けます。
人間と犬が暮らしていく上で、吠えてほしくない状況はあります。犬としては、吠えることは大切なコミュニケーションの一つであり、何かを分かってほしいから吠えているのです。犬にしては無駄吠えではないんです。

 

犬は何を訴えて吠えているのでしょうか?

 

「何か変だ!」「あやしいぞ!」「誰か来たよ。」「あっちに行って!」「さびしい」
「構ってほしい」などなど

しかし、吠えることが激しくなると周りの人には ”騒音“ になってしまいます。
人も犬も困ってしまいます。なんとかしたいですね。

 

 

Step1:なぜ吠えているのか 気持ちを推測しましょう。

 

 

 

ワンちゃんが吠えているのは理由があるはずです。吠えるきっかけとなる刺激を知り、吠える犬の気持ちを推測しましょう。
例えば、
チャイムが鳴る➡飼い主さんが慌ただしく動く➡見知らぬ人が来る
この経験を繰り返すことで、犬は「チャイムが鳴ると普段と違う事が起きる」と学習します。普段と違う事に興奮し、吠えたり、「誰か来た!」と知らせようと吠えたりするようになります。特に縄張り意識の高い犬や、人が苦手な犬の場合は「あっちに行け!」「あやしい」と一生懸命に合図を送っているのかもしれません。

 

 

Step2:インターホンが鳴る➡楽しいことが待っている。

 

 インターホンと楽しいことを条件付けしましょう。
1. インターホンを鳴らす係とご褒美係に分かれます。
2. インターホンが鳴ったら、すぐにご褒美係が褒めながらおやつを与えます。
3. ご褒美係がおやつを持っていることを知られないように、インターホンを鳴らしご褒美係がおやつを与えることを繰り返し練習します。
4. インターホンに反応し、ご褒美係を見るようになったら次の段階です。
食べ終わるのに時間がかかるおやつか、コング(食べ物を詰めたおもちゃ)を与え、玄関に向かいます。犬が食べ終わる前に犬の元に戻ってきてください。

 

 

Step3:インターホンが鳴る➡「待て」➡楽しい事を条件付ける

 


 

1. インターホンが鳴る➡楽しい事 の間に「待て」を入れてみましょう。
最初は、短い時間の「待て」から始め徐々に長い時間待てるようにします。
待てができれば、言葉とおやつでしっかり褒めてあげます。
2. 短い待てから、受話器での応対ができるくらいの待てに延ばします
  受話器を置いたら、しっかり言葉とおやつで褒めてください。
3. 次に、玄関に向かってすぐにもどるくらいの待てにしましょう。
4. 目標は、玄関での対応も加えて戻ってくるまでの待てができるようにしたいですね。

 

待てができたらしっかり言葉とおやつで褒めてあげることがポイントです。

 

私は、以前 神戸税関の麻薬探知犬の健康管理を行っていました。
麻薬探知犬は、空港や港での荷物の中に麻薬が運ばれていないか探すことを訓練された犬たちです。どのように訓練されているのか、とても興味があり尋ねたことがあります。

犬たちは何が目的で麻薬を探すのでしょうか?

みなさん、なんだと思います?
麻薬を見つけた後に訓練士さんと遊べることが楽しくて一生懸命探すのです。
いろいろなスーツケース、段ボールの中に麻薬を隠し 見つけた時には、大きな声で「Good Boy‼」などと声をかけ おもちゃのロープを使って全身で褒めて遊ぶのです。
犬たちは、それが楽しみで一生懸命探すのです。

 

よくできたら、しっかり褒めてご褒美を与える。これがとても大切ですね!

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